今回は、大都市の高級ホテルから人里離れた隠れ家的なホテルまで、アジアにある全ホテルの中から世界最高級と評価したものを3つピックアップしました。では早速、結果を見てみましょう。

ソネバフシ(モルディブ)

モルディブの高級リゾート「ソネバフシ」を離れる時になると、どんなに居心地のいい家でも帰りたくなくなるでしょう。水上ヴィラの最上階からインド洋に向かって滑り落ちるウォータースライド、アイスクリーム・パーラー、プライベートプールに浮かぶ朝食…などなど、どれも贅沢さが詰まった思い出になります。モルディブで常に発生する洪水にもかかわらず、毎年多くの人々がここソネバフシに戻ってくる理由については、言葉で言い表せるものではなく、インスタグラムの写真でさえも、本来の魅力を伝えることはできないでしょう。

ソネバフシの魅力の一つに、植生があります。どこまでも続く青い空と海と同じくらいに、たくさんの熱帯の生態系が広がっています。また、朝食に向かう途中、小さな驚きに出くわすこともあります。例えば、うさぎが食べ残しを探しに出てきて、足元の地面にいたりするのです。有機農場に端を発するベジタリアンレストランで食事を楽しめば、地球環境に対する意識がきっと高まるでしょう。

ウメイド バワン パレス(インド、ジョードプル市)

ジョードプル市郊外の見晴らしのいい丘の上から眺めれば、砂岩でできた黄金色のファサードが太陽に照らされ、手入れの行き届いた庭園の向こうには街並みがずらっと見えます。「ウメイド バワン パレス」ほど、巨大で堂々としたホテルは世界に数えるほどしかありません。ここは世界最大級の個人邸宅の一部であり、現在もジョードプル市の旧王室が時々利用しているホテルです。

中央に位置する巨大な柱状ドームや、歴代のマハラジャの肖像画を見ると怖くなるかもしれませんが、筆者はいつもここで安らぎを感じています。その大きな理由は、鮮やかなターバンを身にまとったスタッフの歓迎ぶりです。自分自身が、シャンパンの朝食や生乳風呂、大理石のパビリオンでの民族舞踊を楽しむ価値がある人間であると感じさせてくれ、最高の贅沢を味わえます。

ブルガリ ホテル 北京(中国)

中国の北京ほど、活気に満ちた街はないでしょう。混雑した主要道路や、紫禁城、天壇、鼓楼、鐘楼でいっぱいの中心地は、生き馬の目を抜く活気に溢れています。筆者はいつも、北京は襲うように訪れては、逃げるように去るべき街と感じます。だからこそ、ブルガリ ホテル 北京に滞在することは、とても贅沢な体験なのです。

このホテルには、随所にアジアンテイストが漂っていますが、清潔な黒色と金色、黒大理石の床、歴史の映像、銅製の屏風などが醸し出す全体的な雰囲気は豪奢です。筆者はいつも、南向きで、できるだけ高層階にある部屋をお願いしています。というのも、床から天井まである窓からは、太陽だけでなく、川向こうに美しい地平線も見ることができるからです。客室内は、革パネル張りの壁、硬材のスライド式スクリーン、フリンジの付いたブルガリ製のベッドカバー、ベルベットのソファなど、すべてが滑らかで、手触りがよく快適です。